フォーカシング

フォーカシングは、心理療法自己啓発の手法の一つで、内面の感覚や感情に意識を集中させることで、問題の解決や心の癒やしを促す方法です。この手法は、アメリカの心理学者であるユージン・ジェンドリンによって提案されました。

フォーカシングの基本的なアイデアは、身体の内部にある感覚や感情が、問題の解決や気づきにつながる情報を持っているという考えです。通常、私たちは日常生活の中で感覚や感情にあまり意識を向けずに過ごしていますが、フォーカシングでは、その感覚や感情に注意を向け、それを受け入れ、探究することで内なる知恵や深層の理解を引き出そうとします。

具体的なフォーカシングの手順は以下のようなものです:

1. 心地よい環境を作ります。静かな場所でリラックスし、自分自身に集中できる空間を整えます。

2. 注意を内部に向けます。目を閉じたり、深呼吸をしたりして、自分の内部に意識を集中させます。

3. 身体の感覚や感情に注意を向けます。身体のどこかに現れている感覚や感情を探し、それに意識を向けます。

4. その感覚や感情を受け入れます。抵抗せずに、ただ受け入れることで、感覚や感情が変化していくことがあります。

5. 対話を行います。感覚や感情に対話的に問いかけ、それに対して受け入れる姿勢で応答します。自分の内なる声や知恵を引き出すための探索を行います。

フォーカシングは、自己理解や問題解決に役立つ手法とされています。内面の感覚や感情に意識を向けることで、心のブロックや不調和を解消し、より自己の本質や真実にアクセスすることができるとされています。また、フォーカシングは個人的な成長や創造性の促進にも役立つとされており、心理療法やカウンセリングの現場で広く用いられています。